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4. 飼育の実際

水槽のサイズ?

タンガニイカ・シクリッドの飼育でまず気になるのは水槽の大きさだと思います。水質の安定と游泳スペース確保のためには大きいほど良いのですが、大型水槽には設置スペースや床の強度、大掛かりなメンテナンスなどの問題もあります。自分で数匹の幼魚から飼い初めて繁殖まで成功した最小サイズは、トロフェウスで60×30×36cm、キアソファリンクスで90×45×45cm、キフォティラピアで120×45×45cmです。キフォティラピアでは、60×45×45cmで1ペア飼育して繁殖したという話を聞いたこともあります。キファティラピアはオスで体長20cm、メスで13cm程あれば繁殖することがありますが、その後も成長しますので、60×45×45cmの水槽では終生飼育は難しいと思います。120×45×45cmで幼魚から2ペア飼育して、オスを30cmに育てることは可能です。それでも、上にあげたサイズではいずれも窮屈ですので、少し大きい水槽を用意したいところです。大型水槽が用意できないときは、若魚期以降にエサの量を調節して、あまり大きく育てないという飼い方もあるようです。良いか悪いかは意見が分かれると思います。それから、跳び出しますので隙間のないフタが必要です。中型種の成魚なら軽いフタは撥ね飛ばしてしまいます。
 

フィルター?

3. 生物濾過を参照して下さい。構造が複雑な外部式は長年の使用中に事故が起こり易いため、上部式をお奨めします。
 

底砂は必要?

中型以上の魚を飼うと底砂には物凄い量の汚泥が溜まり、水質悪化の原因になるようです。水換えのとき吸い出すと言っても、汚れが舞い上がるばかりで奇麗に掃除するのは大変です。ディスカスのように底砂なしのベアタンクで飼育した方が良いのではと思うこともありますが、多くのタンガニイカ・シクリッドは、砂を掘ったり口に含んでモグモグやったりする習性がありますので、これらの行動がとれるようにしてやった方が良いと思います。キアソファリンクスなど、産卵巣を砂で造る魚には底砂は必須です。キフォティラピアでは、ベアタンクでも飼育・繁殖可能との説もありますが、本来の性質を満たしてやることが、ストレスの緩和、自然な体型への発育に繋がるのではないでしょうか。したがって砂は、遊びやすく口などに傷の付きにくい小粒で角の丸いものが理想です。しかしやはり厚く敷くと汚れが溜まりますので、きちんと掃除する人以外は薄く敷いた方が良いと思います。1cm程度でも十分だと思います。
 

砂の種類?

砂の選択は、砂を水質調整システムの一部と考えるか、砂は単なる地面と考えて水質は別の方法で調整するか、で異なります。水質調整に用いる砂はサンゴ砂か(入手可能なら)ドロマイトですが、これについては、サンゴ砂等による水質調整?の項目を参照して下さい。最近は、弱アルカリ性のソイルもあるようです。水質は別の方法で調整する場合は、pHを下げない砂であれば大体何でも良いと思います。砂は使用前によく洗って下さい。砂の色は魚の体色に影響するようです。白い砂では魚も白っぽく、暗色の砂では魚も黒っぽくなることが多いようです。色の違う砂を混ぜると明暗を調節できます。写真で見る現地の砂は明るい黄土色っぽく、田砂など日本で一般的な砂と同じような色合いではないかと思います。
 

水質調整?

2. 弱アルカリ性の硬水を参照して下さい。実際のところ、多くのタンガニイカ・シクリッドはサンゴ砂を敷いただけの特別な水質調整はしていない水槽で巧く飼育されています。また、pH、総硬度(GH)、炭酸塩硬度(KH)なども測定していないことが多いと思います。つまり必ずしも凝った水質調整をする必要はないのですが、色々と試す場合には、まずpH、GHなどの測定方法(機器、キットの使用法)をきちんと憶えた方が良いと思います。

水質調整の目標はタンガニイカ湖の水質を再現することだと思いがちですが、ブリード個体やワイルド個体でも長期飼育されたものは、水槽の水質に適応してしまっていて、pH、GHともタンガニイカ湖の数値より低くした方が調子の良い場合もあると言います。これはケースバイケースだと思いますので、個体毎に対応するしかないでしょう。魚の様子を見ながら段階的に調整した方が良いと思います。

タンガニイカ湖水に近い値を目指すなら、pH8.0−9.0、GH7−11程度が理想ですが、pH7.5、GH5程度でも問題ないことが多いようです。高すぎる硬度は危険と言われますが、具体的にどの位から上がダメなのかはちょっと判りません。
 

専用の水質調整剤?

タンガニイカ・シクリッド用、アフリカン・シクリッド用の水質調整剤が市販されています。これを使えば初心者もベテランもほぼ同じような水質が作れるのではないでしょうか。これを使用して早めの水換えをしていれば、水質が大崩れすることはないと思います。pH調整用のバッファー(緩衝液)と、硬度・ミネラルの調整用の添加剤に別れていることが多いようです。硬度を調整するときは、始めから水道水中に含まれる分を考慮する必要がありますので、やはり測定が必要になると思います。水質調整剤は一般に高価なため、水量が多いと結構な出費になります。また、何処の店頭にもある訳ではなく、在庫切れなどの不安があります。
 

海水魚用品による水質調整?

古い飼育書などを見るとアフリカン・シクリッドの水質調整には人工海水を使用すると書いてあることがあります。私自身は使ったことがないのですが、海水の30分の1から40分の1程度の濃度にして使うようです。これでもナトリウムイオン(Na+)や塩素イオン(Cl)は、タンガニイカ湖水と比べれば大過剰になってしまいますが、多くのシクリッドは塩分に対する耐性が強く、問題は起こらないようです。カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カリウムイオン(K+)については、かなり良い濃度になる筈です。人工海水にはpHが8.3程度になるようなバッファーが含まれていますが、これだけ薄めたときには十分に働かないかも知れませんので注意が必要です。

人工海水ではNa+とClが過剰であるのならば、海水から塩化ナトリウム(NaCl)を除いたものを薄めて使用すれば良いことになります。そのような商品は市販されていて、アフリカン・シクリッドに使用している方も多いようです。成分表示がありませんので、使用量を決めるのには注意が必要です。また、海水魚用のカルシウム添加剤やマグネシウム添加剤も使用できると思いますが、これらも多くは成分表示がないため計算では量を決めることが出来ず、実際にGHを測定する必要があると思います。海水はミネラル濃度が高いため水道水中に始めからある分はほとんど無視できますが、海水の30分の1程度に希釈して淡水魚に使用する場合は、水道水中にある分を考慮しなければいけません。
 

薬品による水質調整?

日本では「アフリカン・シクリッドにはサンゴ砂」が基本ですが、海外ではアフリカン・シクリッドには炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)が基本とされているように思います。NaHCO3は、日本薬局方のものが薬局で、食品添加物用のものがスーパーなどで安価で入手できます。水に溶かせばほとんどの場合、pHが8.3前後になります。水1リットルに対して0.1−0.3グラム使用するのが普通だと思います。もっと少なくても同じようなpHになりますが、少な過ぎるとフィルターの生物濾過作用によるpHの経時的な低下を防ぐことが出来ないと思います。多過ぎてもpHが上りすぎることはありませんが、水中のカルシウムイオン(Ca2+)を沈殿させてしまう心配があります。

タンガニイカ湖のpHは8.0よりは9.0に近いとする報告もあります。必要ないとは思いますが、このようなpHに調整する場合は、NaHCO3に炭酸ナトリウム(Na2CO3)を少し混ぜるようです。これは多すぎるとpHが上がりすぎて危険です。pHメーターを使い慎重に量を決める必要があります。お奨めはしません。

GHの調整も日本では炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とするサンゴ砂、石灰岩の溶解に頼るのが一般的ですが、海外では硫酸マグネシウム(MgSO4)を主成分とするエプソム塩(エプソムソルト、シャリ塩)というものを使うことがあるようです。日本の一般的な河川水(水道水)ではカルシウムイオン(Ca2+)の方がマグネシウムイオン(Mg2+)より多いのですが、タンガニイカ湖水や海水にはMg2+の方が多く含まれます。GHを上げるために使用できる薬品と水1リットルのGHを1上げるのに必要な量を記します。

 塩化マグネシウム六水和物(MgCl2·6H2O) 0.036グラム
 塩化マグネシウム(MgCl2) 0.017グラム
 硫酸マグネシウム七水和物(MgSO4·7H2O) 0.044グラム
 硫酸マグネシウム(MgSO4) 0.021グラム
 塩化カルシウム二水和物(CaCl2·2H2O) 0.026グラム
 塩化カルシウム(CaCl2) 0.020グラム

塩化マグネシウム、塩化カルシウムは水和物の方が水に溶け易く、無水の方は溶けるのに時間がかかります。食品添加物としては「塩化マグネシウム」の名称で「塩化マグネシウム六水和物」が、「塩化カルシウム」の名称で「塩化カルシウム二水和物」が売られている場合が多くあります。入手するには、食品添加物や特級試薬グレードのものを業者から取り寄せる必要がありますが、最近は通販で購入できます。もちろん、全て合法であり危険薬品ではありませんが、子供などには注意が必要です。

タンガニイカ湖水にはカリウムイオン(K+)も少量含まれます。K+は卵の発育に必要とも言われます。試薬や食品添加物の塩化カリウム(KCl)が使用出来ます。代用可能なものとして、塩分の摂取に制限がある人のために販売されているNaClとKClがほぼ50%ずつの「食塩」があります。しかし、最近(2010年代)の傾向として、クエン酸やグルタミン酸などの添加物を含むものが多くなってしまいました。米国産の添加物のないものが安価で販売されていましたが、最近販売業者が変わって値上がりしてしまいました。2019年現在では、塩化カリウムが通販で購入できますので、こちらにシフトしています。

タンガニイカ湖水のヨウ素(ヨード)濃度は判りませんが、加えるならヨウ化カリウム(KI)を使用するのが普通だと思います。試薬を探せばなんとか入手可能です。海洋生物の飼育などではヨードチンキ(70%エチルアルコールにKIとI2の混合物を溶かしたもの)で代用することもあるようです。淡水魚に用いる場合は水で薄めて滴単位で使うのではないでしょうか。
 

サンゴ砂等による水質調整?

一番よく使われているサンゴ砂や石灰岩ですが、水に入れて暫く経つとpHやGHが上がると言われます。とは言っても、pHはせいぜい7.3−7.8で、GHも最初の水槽立ち上げの段階では元の水より1か2高い程度だと思います。時間が経って安定したpHは、もうそれ以上に上ることはありません。しかし、サンゴ砂、石灰岩はフィルターの生物濾過作用によるpHの低下を防ぐ働きがあります。このとき主成分の炭酸カルシウム(CaCO3)が溶け出しますので、GHは徐々に上がっていきます。したがって、水道水のGHが低すぎる場合、ある程度の期間飼育に使われた水は適度なGHをもつことになります。フロントーサが古い水(水換えをあまりしていない水)を好むという(私には疑問のある)記述も見かけますが、これはGHが適正値になるためではないでしょうか。確かに水換えをし過ぎると、飼育水は水道水と大差ない水質になってしまいます。しかし、古すぎる水はGHが高くなり過ぎており、もちろん硝酸イオンの濃度も高くなっていますので適度な水換えは必要です。この「適度な」水換えと言うのが難しいところだと思います。サンゴ砂だけで水質調整を済ませるのは実は高等技術なのではないでしょうか。

サンゴ砂の色が気に入らない場合、底砂には好きなものを使い、サンゴ砂はフィルターに入れてしまうことも出来ます。自分ではやったことがありませんが、海水魚用のCaCO3の結晶や砕いたドロマイトも同様に使えると思います。ドロマイトと言う鉱物はCaCO3と炭酸マグネシウム(MgCO3)の両方を含むため、タンガニイカ湖水により近い水質調整が可能だと思います。ずっと前には観賞魚の底砂用のものが売られていましたが、今はカタログにも載っていないようです。当時売られていたものは角が鋭過ぎるように思いました。
 

観賞魚用ドロマイト
観賞魚用ドロマイト

 
これも残念ながら既に市場から消えているようですが、炭酸塩ではなくリン酸カルシウムを主成分とする「コッタン」(骨炭)という牛の骨を焼いて作った活性炭にも同じような原理でpHを維持する性質があり、フィルターなどに入れて使用できます。吸着濾材と考えずにpH安定用と割り切れば長期使用出来ると思います。
 

コッタン

水換え?

水換えは基本的に必要です。中大型種の場合は、フィルターのみで水質を維持することは難しく、週1回程度、状況により、30-80%の換水が必要になると思います。この時、水自体にも増して、デトリタスなどの有機物を取り除くことが大切です。上部フィルターの最上部にスポンジマット、ストレーナーにスポンジフィルターを設置しておき、水換えの時にバケツの水で揉み洗いする物理濾過が有効です。水槽からの排水は、ホースをつないだ電動のバスポンプなどを使うと楽です。排水時、水と一緒に底砂上のフンやゴミを吸い出します。岩などの隠れ場所の隙間も出来るだけきれいにします。注水時には、冷水と温水を混ぜて出せる蛇口があると便利です。給湯器の温度を低く設定し、冷水の蛇口も少し開けて、25℃前後の水が出るように調整し、浄水器を通した水をホースで水槽に入れます。ホースの先にはU字型のパイプなどを着けて、水槽に引っ掛けると楽です。重曹などの薬品で水質調整をしている場合は、注水しながら薬品を溶かします。水槽壁の内側を濡らしておき、軽量スプーン等で測った粉末を壁面に広がって張り付くように軽く叩きつけると、注水で水面が上がるにつれて薬品が溶け出し、濃度の急変が和らぐかも知れません。重曹で水質調整していれば、水槽に残っている水の方の緩衝力で、新水の注水によるpHの低下が和らぎます。また、重曹は、粉末添加時に一時的に濃度が上がってもpHが上がり過ぎることはありません。したがって、水換え直後に魚の呼吸が荒くなることがあまりないと思います。水換え前後でのpHの変化もほぼありませんので、大量換水しても魚に与えるダメージは少ないと思います。
 

水温?

水温は25℃前後に設定すれば問題ないと思います。夏場の2−3ケ月間であれば29℃位になっていても大丈夫なようです。クーラーがあれば良いのですが、夏場にフタを開放する場合は金網などを固定する必要があります。大型個体は水槽用のファンにザブンと水を掛けてしまうことがあります。当然、水槽周りにもかなり水が飛び散ります。遠くから大型扇風機で風を送る、上部フィルターの水面上に小型ファンを付ける、などの工夫が必要です。冬は23℃位で維持してもあまり問題を感じません。
 

レイアウト?

角のある岩などを入れると魚体に傷が付くことがあります。大型個体には信じられない程の瞬発力があり、岩組みなどは体当たりで崩してしまうことがあるようです。また、砂を掘ったときに岩が崩れガラスが割れることなども心配しておいた方が良いと思います。パイプ、コード類にも対策が必要だと思います。
 

照明?

南向きの窓のある部屋なら照明はあってもなくても良いと思います。

体色の青色を強調したいときは、青っぽい光源を使えば当然青く見えます。しかしこれでは水槽全体が青くなり不自然と感じる場合は、蛍光灯やLEDの演色性を調べて、高演色(多波長、多スペクトル)タイプのものを使うと良い場合があります。同じような白い光でもより多様な波長の光(多くの色の光)が混ざった光を当てた方が何色も鮮やかに見えます。ただし、メタリックブルーの発色は構造色と言う発色メカニズム(1. 魚の名前と種類について参照)によるもので、通常の色素による発色とは異なりますので予想がつかない部分もあります。

「演色性」とは、ケルビン(K)という単位で表される「色温度」とは別の概念です。ケルビンとは絶対温度の単位で、0K=-273℃で、1°の目盛り幅は℃と同じです。学校で習った星の色と温度の関係を思いだすと、赤い星は比較的低温で青白い星は高温だったと思います。星とは少し違いますが、全く光を反射しない真っ黒い物体(黒体)を仮想して、これを加熱していくと、あるところで赤く光り始め、温度が上がるにつれて、橙、黄、白、青白と変化していくそうです。このときの色と温度の関係で定義されるのが色温度です。12000K、17000Kとはその温度の黒体が放射する光と同じ色の光であることを意味します。
 

エサ?

5. 配合飼料を参照してください。

タンガニイカ・シクリッドのエサは、配合飼料をメインにするのが良いと思います。幼魚にはブラインシュリンプなども併用した方が健康に育つかも知れません。また、洋書では、エビのむき身とエンドウ豆を使ったねりエサも紹介されています(6. ねりエサを参照してください)。タンガニイカ・シクリッドには消化器が弱いとされる種が多く、エサが原因と思われるトラブルがよく起こります。そのような魚種では、硬いエサ、粒の大きいエサは避けてください。水に着けたときに、すぐに指で潰せるほど柔らかくなるものが理想です。いつまでも芯のある硬いものは、相当な小粒でなければ使いません。シクリッド用とされていても、硬く大粒のものを与え続けると、腹水病を発症しやすくなると思います。

トロフェウス、キアソファリンクスなど藻類食の魚種は特に注意が必要です。植物食魚用の配合飼料には熱帯魚用に限らず、スピルリナ、海苔などの藻類を原料に含むものがあり、これを使用する人が多いと思います。この場合も、粒の大きさと硬さには注意が必要です。水槽内に自然に生える藻類や、戸外で生やした藻類、乾燥海苔などを与えることもできますが、配合飼料のみで繁殖も可能です。

キフォティラピアはもう少し強健で、主食として沈下性の肉食魚用配合飼料を与えて良いと思います。シクリッド用よりもナマズ用などをよく食べるようです。同じエサばかりでなく、植物性の配合飼料や冷凍赤虫も定期的に与えた方が食欲が続くと思います。エビや小魚も好物ですので、生きエサや冷凍エサも使えます。エビを与えると繁殖が促進されると感じています。生のサクラエビなど海産のものでも特に問題ないようです。海産生物に付着する病原体の多くは(全てではない)淡水では増殖しないので、淡水産よりも海産の方が安全だと思います。栄養成分が違うと言う意見もありますが、配合飼料の原料の魚粉やクリルは海産物です。

魚のエサの容器にはなぜ乾燥剤が入っていないのでしょうか。開封後は劣化が始まりますので、自分で乾燥剤を入れた方が良いと思います。それでも劣化は進みます。小分けして密封し直し冷蔵庫に保管するなどの方法もあります。

ところで、牛ハツのハンバーグは良いのか悪いのかどちらなのでしょうか。ディスカスにハンバーグを与えるのは日本では常識ですが、海外ではあまり用いられないようです。タンガニイカ・シクリッドにディスカス・ハンバーグを与えて、成長、体色、繁殖とも良い結果を得ている例は多いようです。その一方で、魚に哺乳類の肉を与えると早死を招くと警告する洋書もあります。原因として肝臓への脂肪の蓄積が疑われます。心臓の肉と言ってもやはり多少の脂肪を含みます。体温の高い動物の脂肪酸は飽和度が高く魚の代謝に合わないとか、25℃程度では流動性が減少するため魚の消化管に負担がかかるという説も聞いたことがあります。
 

繁殖?

私はタンガニイカ・シクリッドでは、キフォティラピア、トロフェウス、キアソファリンクスしか繁殖に成功していません。どれも幼魚の群れから飼育を始めましたが、成熟した成魚を購入して繁殖させる方法も成功率は高いようです。繁殖を考える場合は、基質産卵かマウスブルーダーか、産卵床は砂地か岩かなど、基本的な情報を調べて水槽内をレイアウトする必要があります。あとは水質とエサ、温度と照明、魚同士の社会的な関係、水槽の周りの人の動きや音などに気を配って試行錯誤することになります。まず自分が最善と考える環境を整えたら、魚同士の闘争や攻撃などの危険な場合を除いて、あまり短期間で設定を変えず、魚が環境に馴染むまでじっくりと待ってから次にどうするか考えた方が良いと思います。繁殖の成否を決める一番のファクターは、その個体(ペア)自体ではないでしょうか。確認することは難しいと思いますが、生まれてから自分の水槽に来る迄に強いストレスを受たことがある個体は、立ち直っているように見えても、繁殖が難しくなるのではないでしょうか。
 

累代飼育?

同一系統(家系)内での累代飼育(インブリード)、特に同じ親魚から生まれたオスとメスからの繁殖で世代を重ねると、俗に言う「血が濃くなる」ことが原因で、徐々に体質が弱くなったり繁殖が難しくなったりして、遂には累代できなくなるとよく言われます。逆にこれは、徐々に手抜きが増えるなどの劣悪な管理状況、機材の劣化や汚泥の蓄積による環境の悪化、繁殖魚の数が増え過ぎたときの過密飼育などの問題であり、本来は永代の繁殖も可能であると考える人もいます。もちろん、繁殖は1代でもできないことがあり、環境が悪ければ無理ですが、遺伝的な限界はあるのでしょうか。私は累代の遺伝的な限界は、ある場合とない場合があって、それは偶然で決まると思います。

同一系統内での交配を繰り返すと遺伝子のホモ接合化が進み、群れの中の個体が繁殖に有害な劣勢(最近では「潜性」と用語変更されつつあります)遺伝子のホモ接合体ばかりになると、それ以上累代できなくなります。これが起こるか起こらないかは、最初の親魚の遺伝的資質と確率的過程によると思います。魚類には2−3万個の遺伝子があると言われます。それぞれの遺伝子は、母親由来と父親由来の2つあり、多くの遺伝子ではこの2つが全く同じか事実上同じですが、2つの遺伝子のもつ情報が異なり個体に現れる表現型も異なるものも相当数あります。2つの遺伝子(対立遺伝子)のうち、表現系が強く現れる方を優勢(「顕性」に用語変更)遺伝子、弱い方を劣勢(潜性)遺伝子と言います。優勢(顕性)と劣勢(潜性)は、よく混同される優性と劣性(漢字が違います)とは全く別の概念で、表現系の現れ易さを示し、その表現系が生存に有利か不利かとは関係ありません。この顕性・潜性と表現系が繁殖に有害かどうかを組み合わせた議論が必要になります。

遺伝子の影響による繁殖に有害な表現型には、体質が弱い、受精・発生が進まないなどの他に、産卵に使うクレーターが巧くできないなどの行動上の異常もあり得ます。有害な表現系を持つ遺伝子でも、それが潜性で、もう一方が顕性でその表現系が正常であれば、その個体の表現系は正常であり、繁殖には問題がありません。しかし、同じ潜在遺伝子を持つペアの交配でできた受精卵が、この有害な潜性遺伝子のホモ接合体(父母由来の2つの遺伝子が同じ個体)だと、発生が進まなかったり、成長しても生殖能力がなかったりという異常な表現系が顕在化します。一つの遺伝子座のホモ接合化で繁殖不能となる場合もあれば、2つ以上の遺伝子座で有害なホモ接合体になった場合に繁殖不能となる場合もあると思います。これが起こるか起こらないかは、初めの親魚が有害な潜性遺伝子を持っていたかどうか、交配の結果、そのホモ接合体が出来たかどうか、で決まります。

タンガニイカ・シクリッドの中でも狭い地域ごとに特徴の異なるグループに分かれている種では、天然での繁殖集団が小さく、現に生き残っている集団では既に有害な潜性遺伝子が少なくなっていることもあり得るのではないでしょうか。交配の結果、群れの個体が有害な潜性遺伝子のホモ接合体ばかりになれば、それ以上は繁殖できませんが、逆に交配の結果、問題のない遺伝子のホモ接合体ばかりになり、有害な潜性遺伝子は群れから排除されてしまうこともあります。どうなるかは確率的に決まり、偶然に左右されると思います。

遺伝的な限界を回避する方法としては、いったん他の系統(家系)の個体と交配し、その仔魚を維持してきた方の系統の純血個体と交配するアウトブリーディングという方法があります。群れに正常な遺伝子を取り込むことで、有害な潜性遺伝子のホモ接合化を防ぐことを目的としています。

もう一つは、同一系統内で、各世代複数のペアから採仔し、異なる親由来のメス、オスでの複数のペア形成を各世代で繰り返すことで、遺伝子の多様性を維持する(同一遺伝子のホモ接合体ばかりになるのを遅らせる)、あるいは、正常な生殖能力をもつ仔魚が生まれる確率(不稔ばかりになってしまわない確率)を上げる方法があります。この方法で体系的に累代することを循環交配といいます。また、この方法で維持される群れをクローズド・コロニーと言います。小型魚では一般家庭でも可能ですが、大きい魚ではスペース的に難しいのではないでしょうか。しかし、複数のペアを組むことで繁殖が成功する確率も上がります。
 

病気?

幼魚から若魚、成熟期までのタンガニイカ・シクリッドはとても元気で、あまり病気になった魚を見たことがありません。しかし、老化が進むと注意が必要です。タンガニイカ・シクリッドの病気として一番心配されるのは、腹水病ではないでしょうか。腹水病は、腹腔に水が溜まったかの様に膨らむ病気です。消化管に傷ができるなど負担がかかった時に細菌に感染するのではないかと感じています。これはエサの粒の大きさや硬さに注意していれば、ほとんど罹患しないと思いますが、魚種によっては、老化が進んだ個体で発症しやすくなります。

眼球が突出するポップアイもシクリッドに多い病気ですが、主な原因は2つあると感じています。根拠の薄い感覚的な話ですが、一つは、激突による眼球の裏での内出血、もう一つは、社会的なストレスや緊張で生じる、例えば長時間の高血圧など、眼球の裏の部分に内出血や損傷を起こす何らかの生理的な異常(人間の神経性胃炎のようなもの?)です。目の裏に傷などができると病原菌が繁殖しやすくなるのではないでしょうか。キアソファリンクスでも、老化が始まる辺りからポップアイを発症する個体が見られるようになります。自分の飼育するキアソファリンクスで今までにポップアイになったのは全てオスで、メスはありません。水槽の中で一番強く、クレーターを占拠している個体が発症することもあり、他の魚を威嚇し続けることも相当なストレスになるのだろうと思います。パラザンD(オキソリン酸)で完治する場合もありますが、失明してしまうこともあります。ポップアイが原因ですぐに死に至ることはあまりなく、片眼の発症、失明があっても繁殖は可能な様です。失明してしまっても、眼球の突出がなくなり、腫れや傷が消えれば、長く生きてくれます。両目とも失明していると思われる魚でも、摂餌は十分に可能で、何年も生きることがあります。腫れや膿がなく、デメキンの様にただ目が突出した状態で症状が膠着することもあります。まれに、目の裏に膿のようなものがどんどん溜まって、びっくりするほど大きな膨らみになってしまうことがあります。最終的に呼吸が速くなると、いずれ息を引き取ります。この場合でも、発症から1−2年は生きることが多いと思います。

眼が白く濁る白内障のような症状は、タンガニイカ・シクリッドに限らず多くの魚種で老化とともに見られる様になりますが、キアソファリンクスでは特に注意が必要です。老化が進んだ魚では、多かれ少なかれ、眼の水晶体の透明感がなくなってきます。人間の白内障の原因は、水晶体内のクリスタリンと言う蛋白質の変性による透明度の低下とされ、クリスタリン変性の原因の一つは酸化と考えられるため、ビタミンC、E、カロテノイド、ポリフェノールなどの抗酸化作用のある成分を含む食品に予防効果があると言われます。市販の魚のエサの中には、これらの成分を多く含むと表記されたものがあり、予防効果があるような気もしています。若くして発症するのは水質の悪化が原因かも知れません。

キフォティラピアでは、体が浮き上がる原因不明の病気が知られています。これも発症後すぐに死に至る訳ではなく、年単位で生存する例が多いようです。

私がただ感じていることですが、pH、硬度など水質が調整された水で飼育していると、病気発症後の生存期間が長くなるような気がします。発病率も低いのかも知れず、治癒率も高いのかも知れません。
 

寿命?

タンガニイカ・シクリッドの天然下での寿命はよく分かりません。また、飼育下での情報もなぜかあまり見つかりません。自分の飼育した魚が長寿だったのか短命だったのか、判断できないのが実情です。例えば、2019年現在の英語版ウィキペディアでは、キフォティラピア・フロントーサは25年生きることもあるとされています。私が飼育したものは最長で15年でした。トロフェウス・モーリィは、今のところ平均で10年以上です。しかし、キアソファリンクスは、それほど長く生きたことはなく、7-8年です。若い魚が死ぬことはほとんどなく、老化とともに死亡率が上がりますが、明確な病気の症状が見られない老衰した個体は、底砂の上や水面直下でうずくまるようにじっとして動かない時間がだんだん長くなり、数ヶ月、個体によっては1年以上ののち、生き絶えてしまいます。