キアソファリンクス・フォアイ “モリロ” 第1世代
Cyathopharynx foae “Moliro” Generation 1

“foae“は “foai“との表記も見られます(むしろその方が多いようです)。私の理解では、本来”foai” (人名由来)とするべきところ記載論文で誤って”foae“とされ、未訂正のため正式学名は”foae“のままと言うことです。同属フルシファー種(フルキフェール、C. frucifer)との違いは、本種フォアイの方が体色が暗く、体高が高いとされます。数値での定義はあるのでしょうか。水槽で生まれ育った魚は体高が出る傾向がありますが、それでもフルシファーとフォアイでは横から見た輪郭が長方形っぽいか菱形っぽいかの差があるように思います。天然下では生息域が重なるにもかかわらず繁殖隔離があり交雑しない、すなわち別種と言うことでしょうか。




ブリード個体、購入翌日に撮影。6cm。2003年11月。

飼育開始1ヶ月後の発色。もちろん幼魚。

2ヶ月後の同一個体。



飼育4ヵ月。

6ヶ月。

7ヶ月。


8ヵ月目、繁殖時期の発色。魚の下にクレーターがあります。

12ヵ月目。

上と同一個体。

ナンバー2のオスも発色が始まりました。

約1年半、12cm位で、オスは3匹とも発色しました。クレーターは1個です。クレーターを占有するオスは日々入れ替わり、オス同士の闘争は激しくヒレにはキズが絶えません。3匹のメスは次々と産卵し、2004年の産卵は12回。3回目以降は産卵当日に吐かせています。


飼育1年8ヵ月。

飼育2年。クレーター上でメスを誘うオス。

メス。
Cyathopharynx foae 飼育の要点
暗闇にメラメラと燃え上がる青い炎のような背ビレのパターン、洋書の写真が憧れでした。水換え、フィルターの管理は重要だと思います。エサは草食魚用、金魚用の配合飼料のみで繁殖まで可能でした。底には砂利ではなく砂と言える粒の大きさのものを敷けば、砂の種類には依らずクレーター様の産卵床を造ると思います。魚が砂を掻き集めますので、それほど大量に敷く必要はありません。生後約1年で繁殖可能なまでに成熟します。それまでは最強のオスが他魚を追い払う程度ですが、その後、他魚の成熟が進むと口と口で噛み合うような格闘で覇権を争うようになり、唇が肥大した個体が現れます。ヒレ先のフィラメントは切れても再生しますが、枝分かれ、伸びる条の数が増えて太いフィラメントになるなどの異形が生じることがあります。闘争を分散させるための過密飼育は有効ですが、過密飼育下ではポップアイ、白内障などを発症し易いようです。総じて、繁殖までよりもそれ以降、細かいところまで奇麗な形を維持することの方が難しいと思います(発色は問題なし)。


フォールの体勢に持ち込まれることは滅多にありません。あっても通常カウント”2”でエスケープします。今まで喧嘩が直接原因の大怪我、死亡はありません。


飼育4年目に入り老成したオス。20cm。


背ビレの条が伸びています。欠けた部分が再生するときに過剰に伸びたようです。第二世代にも同じように伸びた個体がいますが、どちらも水槽で一番のオスです。勢力と関係があるのでしょうか。
強いオスは尻ビレも長く伸びるようです。第二世代のオスNo.1も尻ビレが伸びています。この撮影の時期には見られませんが、どちらのオスも長く伸びた尻ビレの先が胸ビレの先と同様に黄色くなることがあります。

見る角度によって体色が変化しますが、フラッシュ撮影でも角度によって色が大きく変わります。

別のオス。腹ビレはこちらの方が伸びています。発色とクレーター(1個)の占拠は、この2匹の間で交代制になっているようです。


飼育5年目。今も産卵を繰り返しています。(左)メス、(右)オス。


飼育7年目に入ったキアソファリンクス・フォアイ”モリロ”。最初に産卵したメスが最後の1匹となりました。現在曾孫の世代が若魚に成長していますが、今でもまだ産卵します。
(追記)しかしその後、急激に体力を失いエサを食べなくなると痩せ細ってついに。初代の”モリロ”(購入個体)はこれまで。
